映画のウェブログ 「け」

23歳無職、自称映画ライター。本当に無職。

ニットキャップシアター『THAT'S ENOUGH』観劇。サイテーが服を着て最高のコトしてた。

サイテーなんですよ、もう。

 

「オナニー」「タンポン」「おしっこ」「うんこ」

 

そんな汚いパズルのピースを組み合わせて出来た1枚絵に、どうしてこんなに心洗われてしまったのでしょうか。悔しい。

 

木屋町UrBANGUILDにて京都を拠点に活動する劇団ニットキャップシアターの公演『THAT'S ENOUGH』にお邪魔してきました。テーマは「下ネタ」。フライヤーに添えられたキャッチは「止められても、やる」です。

 

f:id:ilpc-hryk:20180412005952j:plain

 

ちなみにこのイラスト、the coopeezの藤本浩史さんが担当しているそうです。意外だ。

 

www.youtube.com

 

当たり前だけど演劇はライヴなんですよ

 

さて、公演そのものについての感想。

やっぱりこれはライブで見ることにこそ意味があると思いました。

 

一切の容赦のない下ネタの応酬なわけですが、それを生で、つまりノンストップで鑑賞するという体験はあまり無いんじゃないかなと。普段ぼくはwebの文章やら映像やら記録媒体を通して何かを伝える立場なのですが、それとは完全に真逆の性質を持つエンターテイメントに痺れましたね。当たり前ですが本気なんですよ。鑑賞する僕らに一時停止ボタンみたいな逃げ道は無いです。それは同時に演者さんも逃げ道が無いということで。演劇の性質上、当たり前なんですけどそんなハードな形式なのに実際に舞台上では「精子が……!」とか言ってたりするわけですよ。そんな空間の異質さががオモシロに直結してきます。

 

生理ネタに女性のお客さんがウケまくってたり、逆に「おちんちんあるある」 はあんまりハマらなかったりという温度感とかも新鮮でした。「タン・ポ〜ン」って叫ぶギャグ、あんなにウケるんなら僕も他所でやってみようかな。駄目ですかね?

 

 

短いのが一番難しい!

 

この公演は短編コントのオムニバス形式。ちなみにクロスオーバー的なことは無しです。

したがって短い時間で登場人物の設定やキャラクターを伝えないといけないわけですが、それがかなり上手だと思いました。いまこうして文章を書くにあたって僕は気付きましたが、観劇している間はそんな分析の余地を与えないくらい驚くほどシームレスにこうした情報を届けてくれています。それに寄与するのは脚本だけでなく俳優さんの演技によるものも大きいと思います。やっぱりお芝居ってスゴイ!!

 

余談ですが、精子を演じた澤村喜一郎もかなり良かったです。ご覧になってない方は「精子を演じた?」という疑問で頭が一杯だろうかと存じますが、一旦保留して読んでいただきたいです。澤村さんの精子、まさに怪演。

 

このお方です。

 

精子役といえばアルコ&ピースの酒井ちゃんも演じていましたが、全然比べ物になりません。

 

f:id:ilpc-hryk:20180412012111j:plain

 

もう身体つきが全然違うんですよ。仕上がってる。精子への役作りがスゴい。
あの精子が出るコントだけでも再演して欲しいくらいです。精子が出るコント???

 

時折イイ話が……!

精子に話が逸れてしまいましたが、短い作品の中でも密度がかなり高いんですよ。テンポの緩急に関わらず登場人物や世界観を丁寧に表現していました。そんなキャラクターの機微が漏れだす演出。これはなんのためかというと、きっと時にカットインしてくる「イイ話」をよりセンシティヴにするためにあるんですよね。当然キャラの輪郭が明確である方がコントの面白さの解像度が上がることは間違いないんですけど、僕はこの効果の方が強大な気がします。

 

油断してたら普通に良い話が飛んできます。胸を打つようなドラマが急に挟まってきます。タイミングは急な時もありますが、でもそれは無理でチープな設計じゃないんですよ。それはなぜなら人物造形がしっかりしているから。僕はニットキャップシアターさんのお芝居を見るのは初めてでしたが、「きっと下ネタ以外もきっちりしっかり確実に、盤石にやってきているんだな」と実感しました。別に飛び道具を使わなくても人を笑わせたり感動させたりできるし、実際そうしてきたのだろうなという感想です。ここで冒頭の書き出しに戻るんですけど、サイテーなコント集のはずが、何故か爽やかな気持ちにさせられてしまいました。アッパーで清々しい。こんなのなかなか作れないです。

 

そんなわけで

 

面白かったです。ごちゃごちゃ余計に野暮なことを書き過ぎてしまったので最後くらいは潔くシンプルに結びます。面白かったです。

また近く公演があるとのことなので、機械があれば是非どうぞ。

 

最後にコマーシャルですが、僕の所属するメディア「アンテナ」でも記事上がってます。この公演について、さらには劇団について語るインタビュー記事です。こちらも併せてどうぞ。

 

kyoto-antenna.com

 

 

 

おわり