映画のウェブログ 「け」

22歳無職、自称映画ライター。本当に無職。

映画『ディストラクション・ベイビーズ』 菅田将暉を軸に考える (考察、分析、批評あるいは解説)

GEOに並んでたので改めて借りて見たんですけど、やっぱ面白え~~

 

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(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

菅田将暉専門のウェブログ菅田将暉専門のウェブログって何?)として、マストの映画ですね。

今回は映画『ディストラクション・ベイビーズ』及びそれに出演する菅田将暉を褒めちぎる記事です。あと役名とかはもうこの際一切出すつもりはないのでよろしくお願いします。

 

 

並(あるいはそれ以下)の感想で申し訳ないが、とりあえず菅田将暉

どんなレビューや解説を読み漁っても(聴き漁っても)、やっぱり柳楽優弥への賛美が多くを占めています。

そりゃあ当然ですよね。あれだけの存在感を非言語・超言語で表現しきったのをスルー出来るはずがない

むしろ圧倒的過ぎて誰にでも評することができるメインディッシュを避けて通る方が難しいかなと(あ、いや、別に柳楽優弥に触れることが安易安直って言ってるわけではないです)

 

ただ、ただですよ。もはや2018年の現段階で僕が(しかもブログで)柳楽優弥について言うことって……?

向井秀徳の音楽も凄かったです。ただ楽器のできない僕が今頃この人の演奏について語るのって結局要はただの幼稚なコピペじゃ……?

 

ということで改めて宣言しますがここでは菅田将暉一本槍でを突き進もうと思います。これも言い尽くされているといえば言い尽くされてますけど、やっぱ将暉すごくなかったですか? 

 

なに着せても格好いい将暉(感想文)

最初は制服。無理なくサラッと着れていて最高。まわりの同級生なんかは「不良のアイコン」としてなのか何故か一様に金髪が多い。むしろこちらの時代錯誤感のほうがひっかかる。ともあれ白いシャツとあげた前髪。男性フェロモンというか、思春期特有の草いきれみたいな熱気がムンムン。

 

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見てこれ。どういうこと?!やばい、格好いい。一旦横になろうかな。

 

 

柳楽優弥に服をぶん取られ、彼が着ていたキッッッッたない作業服を切るハメになる将暉。

まずその過程において晒される白い上裸、恐ろしいほど儚い。美し~。そしてその後の作業服。

 

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何着ても似合うって何?!どういうこと?!本当に今すぐ抱いて欲しい。

最高傑作『ディストラクション・ベイビーズ』。唯一汚点があるとするなら将暉が小松菜奈を抱かなかった、小松菜奈が将暉に抱かれなかった。これに尽きますね。

 

決してセックスまで持ち込めない童貞感、至ったとしても所詮レイプ。これが大事なのは承知ですけどね。肉体的非達成と他者からの不承認。これがこのキャラクターを形成する重要なファクター。そんなことは百も二百も承知してます。けど見たかった~。惜し~~

 

むしろ主人公の将暉

ここから少し辛気臭い話になります。 

 

誰にでも持っている「狂気」(なんて言葉で片づけてしまうのはあまりに簡単すぎて思考停止を招くインスタントな危ういワードですが便利なので使います)を描いた作品です。柳楽優弥は言わずもがな、村上虹郎ら演じる「弟世代」まであらゆる人間の嫌~なところを浮き彫りにする映画。皮膚に埋まった鉛筆の芯を指でつまんで絞りあげるような、そんなゲッソリムービー。

 

そんな中でも平常から異常への変質を果たした将暉はむしろ主人公――もっとも観客に近い立場――だったのじゃないかなと。「誰しもがこうなり得る」という危ういポジションの代表選手だったと思います。

 

たとえば正面から鏡に向かってお気に入りの服でおめかし。腕まくりなんてしちゃって強さを演出!

もうテンプレ的な強くて弱い男。教科書的にアメリカンニューシネマそっくりそのまま。

 

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このゲーセンのシーンに限らずその後の豹変ぶりもそうですが、徹底的に強くて弱い。これがまた可愛いんだ~。なんてこった~。5歳児なのに早熟過ぎて一人称が既に「オレ」みたいな。

いや褒めてますよ、本当に。そうした稚拙さを丁寧に演じきったという評価に繋がるので。

 

とにかく狂暴になれば狂暴になるほど可愛い。小松 菜奈は「甘えんな!!」とブチギレてたけど、こっちから言わしてみれば「将暉に甘えさせろや!!!」「代われ!!)と言いたい。ふざけるな。もう小松って呼び捨てしようかな。

 

中盤のたるみ、一見すると結構なマイナスポイントですが全然そんなことない。
観客の「たるんでるな」「おもしろくないな」「今まで気持ちよかった暴力描写(もっと平和的に表現すれば「アクション」が)足りないな」という感想はそっくりそのまま将暉とシンクロします。

 

あのだらしない、どうしようもな状況の車内は将暉の視点を通したもの。そこに「たるんでるな」「おもしろくないな」以下略のような印象を抱くことは結果として僕たちがこれまで疑似的将暉体験をしながら映画を見ていたことを裏付けます。

 

 

本当に可愛そうで可愛い将暉

上に述べたのと少し繰り返しになるんですけど、要はこういうことです。

この映画の登場人物は大きく分けて2パターン。1人とそれ以外。圧倒的存在である柳楽優弥と、それ以外の弱者に分類することができます。その他大勢の代表選手が菅田将暉

 

巧みなのは先にも述べたはゲーセンでの衣服の強奪。柳楽優弥アウトサイダーっぷり、狂犬っぷり、理解不能っぷりを表現。オマケに将暉を脱がすというサービス付き。これでだけでも見事なんですけど、それに加えて超超重要なピースがここに組み込まれてるんですよね。

 

それは交換と変身。最強のバーサーカー柳楽優弥が将暉の服を着ている。一方で強さに溺れる菅田将暉柳楽優弥の服を身に付ける。

この映画は基本的には「柳楽優弥以外の弱者」の視点で描かれるストーリー。服という視覚的にわかりやすい道具で菅田将暉の幻想を常に具現化しているんですよね。このあたりすごく映画的だなと。

 

服の強奪の直前はアメーバピグ(的な何か)内での小さな社会にニンマリしています。アバターという仮面に逃げるしかない弱い人間だったんですね。それが今度は新しい仮面を手に入れることになる。

 

これもまた幻想に過ぎなかったんですけど、一度はその幻想のピークにハシャぐわけです。ところがそれは絵に描いた餅。どころか自分では絵にすら書くことが出来ないことに気付く。雁字搦めの不合理に苦しまざるを得ない将暉。可愛そうにもほどがあるし、そこに喘ぐ姿が最高にキュート。まあ正直後半とかは本当に嫌な奴でしかないんですけど、これは普遍的で一般的な人間の気持ち悪さであって、こいつだけの問題ではないんですよね。だからこそ一段昇ってから鳥瞰すると可愛げがある。こいつを助けてやりたい、かまってあげたい。でもそうすることがこのキャラターにとって一番の屈辱。難しいな~。演じる役のアンビバレンスだけでなく、観客をも(少なくとも僕を)板挟みにする表現力。本当に素晴らしかったと思います。

 

てな具合で

虚構内の役を俳優名で呼ぶことでリテラシーの低い昭和当時のテレビドラマファンみたいになってしまいましたが、別にどう思われても良いです。批評的な部分はそう遠くないことに触れられていると思いますし、将暉的な部分(いや将暉的な部分って何?)に関しても結局は僕の頭の中のフィクションの人物なので。

 

菅田将暉。それは各々のイデア界で存在する桃源郷にそびえ立つ男根の森……!

 

 

 

森?

 

 

 

おわり

 

 

【コマーシャル】

 

今までに僕が書いた全ての映画記事をFilmarksにまとめています。インスタグラムのような一覧画面からひと目で作品を見つけることができるので便利かと。

filmarks.com

良ければこちらもご贔屓にお願いします。

 

 

【コマーシャル2】

さまざまな僕の将暉です。可愛がってください。

 

komestroke.hatenablog.jp

 

komestroke.hatenablog.jp

 

 

 

なにとぞ。終わりです。