映画のウェブログ 「け」

22歳無職、自称映画ライター。本当に無職。

映画『ジオストーム』の日本のPRはヤバいのか、ギリセーフか。ねちねち考える

映画『ジオストーム』が1月19日に日本公開。

ツイッターハッシュタグは#ジオストーム日本直撃。

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予告を見る限りまあ実際に日本が大変なことになる描写もあるみたいだし、そんなこの映画が日本に上陸するという点では「日本直撃」ってのは気の利いたコピーでもあることは確かかもしれないんですけど。今日はここに難癖を付ける回です。

 

先回りして言っておきます。「考えすぎ」、「誰と戦っているんだ」、「そもそも映画を見たのか」、「良い加減伸びた髪を切れ」などさまざまな声が聞こえてきそうですが、僕はそういうややこしい男なのでこのあたりを諦めて楽しんでください。

 

 

 

映画の制作スタッフはもちろん、日本の配給会社なんかもこれに関しては悪くないと思います。普通にありがちだし、キャッチ―。ただ問題なのは「こうでもしないと観客(映画をたまにしか見ない層)にひっかからない」という現状。「こうすれば興味を持ってもらえるかもしれない」という空気感。これはほんとうに怖いことだと思います。

 

キャストとかあらすじ、予告を見る限り絶対日本そんなに関係ないじゃないですか。多分ですけど『レオン』におけるマリリンモンローくらいしか関係ないですよ。『メッセージ』にだって北海道出てきたけどことさら取り上げなかったでしょ。(個人的にはニュース音声を聴いて北海道はHokkaidoで十分通じるんだ、すごい!って感動しましたけど)

 

1月17日はつい今さっき過ぎたばかり。もうしばらくすれば3月11日。夏になれば8月15日、しっとりとしたドキュメンタリーがテレビ各局の電波をジャックすることになるでしょう(ここ何年も「正当に」NHKを追い返す身分なので本当のことはわかりませんけど、そう的外れではないはず)毎年必ずくる日付を羅列しただけですが、これらの各3桁の意味をここで僕が言うに及ばないでしょう。

 

にもかかわず、日本はあまりに海の向こうの社会情勢に無関心なんですよね。自分らのことには大騒ぎするくせに。ある程度はそういうものだと思いますが、あまりに極端。少し古いですがフランスでテロがあっても「とりあえずFacebookのアイコンに透過したトリコロールを被せる」という意味不明の運動をするくらいで。(まあ残念なことに別に何したって失った命は返ってこないんですけど)こんなの多分過激派側からも「テロはおしゃれじゃない」と怒られそうです。このあたりの病理、アイスバケツチャレンジなんかとそっくり同質な気がします。

政治的な無関心と括弧付きのバラエティへの逃避。このあたりはウーマンラッシュアワーの村本とかが最近口うるさく言ってましたけど、僕は少なくとも「関心を持とうよ」という姿勢には賛成したいなと思います。

 

すこし話は逸れますがこういうキーワードの中で語られがちなのが『君の名は。』『シンゴジラ』あたり。

「これは実は3.11の~!!!」とかいう人がたまに居ますけど、あんまり響かないですね。

「このコロッケ、じゃがいも入ってるでしょ!!ビンゴ!!」みたいな。「そうだよ」としか言いようがないので……

 

 

 

話を戻します。他人事には徹底的に興味がない。そんな日本で横行する映画といえば観客を「身内」に引きこむキャラ重視のプロット。あるいはバラエティなどと連携して舞台裏を絶えず提供することで生み出す「友達が映画に出ている」感。(最近で言えば大泉洋の「大泉洋性」にオンブに抱っこだった「探偵はBARにいる」シリーズとか)

 

そしてこうした現状から編み出されたであろうコピーがこの「日本直撃」。

当事者意識がまるでない日本になんとか無理やり少しでも興味を持ってもらえる策としての謳い文句。僕にはそんな気がしてならないんですよね。意識的にかあるいは無意識的にか。実際のところはわかりませんが。

 

 

こういう状況で例えば今後公開が控えている『デトロイト』とか見ても日本人に伝わるのかなと不安でしかたない。鬼の首を取ったかのように皆さん口を揃えて「40分のリアルタイム感に手に汗握った」とか「資料映像を引用しながらの臨場感」とかで済ますんでしょうか?所詮は映画、楽しんだもん勝ちなんでしょうけど、楽しけりゃそれでいいなら映画なんて誰も作らないですよ。投じた予算で何杯ビール飲めるんだと。

 

映画を見る前からキャッチコピーに噛みつく……かと思えばコピーそれそのものには噛みつかず、実体のない何者かに苦言を呈す。(探偵は~シリーズもとんだとばっちりだと思う)自分でもこのややこしさは自覚していますが、それでもやはり言っておきたい。

この現状、怖くないですか?

 

 

改めて言っておきます。「考えすぎ」、「誰と戦っているんだ」、「そもそも映画を見たのか」、「良い加減伸びた髪を切れ」などさまざまな声が聞こえてきそうですが、僕はそういうややこしい男なのでこのあたりを諦めて楽しんでください。

 

 

おわり