『キングスマン:ゴールデン・サークル』パンフレットは買いか否か?
『キングスマン:ゴールデン・サークル』良かったですね
とりあえず改めて良かったと表明させてください。初日のレイトショーで鑑賞しましたが、所謂映画ファンだけでなく幅広い層が足を運んでいたという印象です。確実にリピート案件。ゴールデン・サークルの10枚綴り15000円とか売ってないかな~
さて、今回はゴールデンサークルのパンフレットについて(ネタバレはありませんが「完全シャットアウト型」の方はまた後日お会いしましょう。またよろしくね)
見た目はクール
真っ黒の表紙に落ち着いたゴールドで表題が刻まれています。
ブラック×ゴールドという組み合わせはともすれば深夜のドン・キホーテのようなチープで荒々しい印象にもなりがちですが、そういった失敗を巧みに避けて「キングスマン」の世界観に相応しいしっとりと上品な表紙に。サイズはA5より少し小さい。
製本はホッチキス留め。それでもボリュームは十分。ページ数35,6程度。
内容もそこそこ
肝心なコンテンツについて。
本作や前作のあらすじ、キャラクター紹介などは正直精読するほどのものではない、という印象。けれども数年後にも閲覧可能な紙媒体としてそうした基本も必要なのかな。秘密道具を並べて「この指輪、5万ボルト流れるんですよ~」みたいなページ、好きな人は好きなんでしょうが個人的には残念。フィクションのディティールはもちろん大事ですが、そういう細かさに批評的な部分を感じない僕は興味がないので。
一方で銃や傘、スーツなどのアイテムが掛けられた壁の前に人物が配置されたページと、そのキャストに対する簡単なインタビューが掲載されたページの見開きが印象的。よくある紙面といえばよくある紙面。ただこの「銃や傘」のバリエーションが豊富で作品に対する愛着があれば萌えてきます。エグジーならジャージやスニーカー(詳しくないけどスタンスミスですかね?)、ハリーなら「あの眼鏡」や蝶など。これってパンフだけじゃなくてフライヤーとかにも載ってるのかな?ともあれさりげなくキャラクターのディティールを覗くことのできる写真群でした。
ほかのページも「”間違ったアメリカの恋人” 魅力あふれる悪役の誕生」や「帰ってきたハリー・ハート」という解説文が。そのほとんどはキャストやスタッフの発言を担保にしてまとめられています。パッケージとして「このページの特集がわかりやすい」という高密度のものは特になかった、というのが正直な感想ですが、それぞれの情報は思いもよらない制作秘話や膝を打つような事実が。一冊を通しては概ね満足です。
「カルチャーヤクザ」こと町山智浩と宇野維正
町山智浩と宇野維正の解説文も収録。高密度のものがない、と書きましたがその例外がこの二人の文章。ほんとこの人達は色んな所に出てくる。カルチャーヤクザか。とはいえその実力はやはり確かで深いところまで刺した面白い文章を寄稿しています。町山さんは「英国紳士とカウボーイ、イギリスとアメリカの間に育ったマシュー・ヴォーン」と題したレビュー。ともすれば安易な評論で二項対立的に語られてしまいそうになるアメリカとイギリスについて、ヴォーンのルーツ・作家性という切り口から丁寧に解説してくれています。宇野維正は「とにかくノリがすべて!マシュー・ヴォーン×『キングスマン』の「ポップミュージック」を紐解く」というタイトルでの解説文。音楽の疎い僕でも納得(風の感想)を抱けるくらいわかりやすかったです。おそらく僕にはまだその真意を100%汲み取るだけの音楽的素養がないので、もっと音楽好きで詳しい人に読んで欲しいなあ。
買いです
「別に買わなくていいですよ」という着地に向かって記事を書き始めたのですが、こうして言語化してみると良いパンフということが判明しました。『キングスマン:ゴールデン・サークル』に大満足だというあなた。作品や監督、そして日本の劇場への投げ銭だと思って買ってみてください。
【コマーシャル】
こちらの記事も是非。あなたの代わりにマシュー・ヴォーンを褒めちぎります。
そもそも今回がお役立ち系の下品な記事なのでコマーシャルくらい許してください。よろしくね。
【余談】
油断すると映画館行くのを忘れたり諦めたりして帰宅したりするので「きょうはキングスマンを見るぞ!」というリマインドのため、そして気分を鼓舞するためにネクタイを締めて劇場に向かいました。こういう時にでもコスプレしないとクロゼットで眠りっぱなしになるので。これが無職のネクタイ事情。
タイはともかくとして、こんなブレザーみたいなの着てる人。アメリカ大統領の腰巾着だけでした。残念すぎる。コスプレには十分気を付けてください。